ヤッターオタクたのしい!!

ワーーーーイ!!

いまこそ『ALIVEヒーローフェスティバル』を読んでほしいっていう話

 

ワールドエンドヒーローズリリース4周年おめでとうございます!!!!!


 久しぶりに記事を書きます。

 ここ最近ブログやTwitterを更新していなかったのですが、ジャンルを移動したとか体調とかそういったことではなく、シンプル身バレ*1したせいです。ウケる

 本当は過去のイベントシナリオの話とか、バケツ通信の話とかこの1年で色々しているはずだったのですが、気まずさに負けました!!わっしょい!!


 でもどうしてもワヒロ4周年お祝いしたかったので、開き直って記事を書くことにしました。いえーいみてるー!?(憤怒)

 見てる人も見てない人も、ワヒロリリースは全人類にとっての大きな一歩であり我が文明の宝ですので、おおいに祝ってください。よろしくお願いします。

 


ということで、この記事は、大好きなイベントストーリー『ALIVEヒーローフェスティバル』の話をする記事です。

 

 

●ハッピーエンドの先へ

 

 『ALIVEヒーローフェスティバル』は、ワヒロのアプリリリース1周年を記念して開催されたイベントです。

 ワヒロではイベントストーリーはすべて"本編後"であるという設定なので、当然このイベントも本編軸の後の世界を舞台としています。

 このイベントが開催されていた当時は、本編=メインストーリーがリアルタイムで更新されていた最中でしたので、各キャラクターの境遇や関係性がわからない部分、隠されていた部分も多くありました。それでももちろん面白いお話で楽しめたのですが、本編が完結した現在、改めてこのイベントストーリーをぜひ読んでもらいたい!と思うのです。

 なぜなら、このイベントが“本編の続き”であることがすごく意味がある、そういうふうに思える物語だからなのです。

 

 大前提のお話なのですが、ワールドエンドヒーローズという作品はスマホアプリでプレイするソーシャルゲームとして作られています。

 ソシャゲにも色々な形があるとは思いますが、その多くは毎日のログインを前提にプレイスタイルが考えられ、定期的にイベントが開催され、その時々で課金システムに誘導することで利益を上げる、そういう仕組みになっているものと思います。実際、ワヒロの制作陣へのインタビューの中で、「毎日気軽にプレイできるように、システム面のストレスを意図的に排除した」というような内容を読んだ覚えがあります。

 ワヒロのゲームシステムは、「プレイヤーの日常に組み込まれるもの」というイメージモデルで制作されているということですね。

 

 そのような、読者の日常のなかにある作品として作られるにあたり、大きな障壁となってくるのが、リアルタイムで長期間ストーリーを進行させ続ける必要があるということです。

 どんな物語にも、始まりがあり終わりがあります。ワールドエンドヒーローズという作品は、残念ながら2020年にサービスを終了し、作品も完結に至りましたが、たとえサービスが続いていたとしても本編はきちんと完結していたはずです。実際、浅桐真大が作中の最序盤から繰り返し発言している「結果は変わらなくても、過程はドラマを描く」というセリフは本編のストーリー展開そのものを示唆しており、第一章更新時点から本編の結末は明確に予定されていたものと推察できます。本編完結後サービスが続いていた場合どのように展開する予定だったのか、イベントストーリーを随時更新する手はずだったのかそれとも第二部的な構想があったのか、もはや妄想することしかできませんが、少なくともアプリリリース最初期から、ワヒロの「本編の終わり」は明確に意図されており、しかしそれではアプリとしての運営が難しいというところから、「イベントストーリーはメインストーリーの後日談である」という設定が創出されたものだと思われます。

 

 他の記事でも書いたことがあるのですが、ワヒロのキャラクターってみんな主人公的資質を持っているんですよね。そんな主人公たちを“本編の主人公三津木慎”が救う物語、という、入れ子みたいな構造になっているお話だと思っています。そして後日談であるイベントストーリーで、いよいよ各キャラクターたちの“主人公としての物語”が描かれていく。そうした構成が本当に面白いです。

 そんな中、1周年という特別な節目で更新された『ALIVEヒーローフェスティバル』というイベントは、本編の主人公三津木慎が主人公となるイベントストーリーなのです。

 慎くんが担当しているイベストは他にも海上訓練*2がありますが、やはり1周年記念のAHF*3は明確に“主人公三津木慎のその後の物語”として作られていると思います。

 

 メインストーリーの終わり方がハッピーエンドかどうかというのは、結構読者によって感じ方に差が有ると思います。特に三津木慎というキャラクターに感情を割いていると、それでいいのか…!?というふうに、展開について考え込んでしまうことは少なからずあると思います。

 ただ、『ALIVEヒーローフェスティバル』というイベントストーリーがあることで、慎くんの物語の続きがある。この描かれ方は、はっきりと“ハッピーエンドの、その先”という概念なのだと私は思います。

 

 また、ひとつの結末を迎えた物語の主人公に、“続きがある”ということ自体、すごくなんというか、エモいことだと私は感じています。ソーシャルゲームという、日常に入り込む形の物語において、それぞれのキャラクターの“続き”が時間の経過と共に得られていく。これって、こう言うとおおげさなのですが「同じ時間を生きている」ということじゃないでしょうか。

 サービス終了して丸2年が経ちましたが、当時リアルタイムでこの作品を体験できたことは本当に代えがたいゲーム体験だった、キャラクターの生を感じられた大切な時間だったと思うのです。『ALIVEヒーローフェスティバル』というイベントストーリーに触れると、そういった深い感傷に触れることができます。本編が完結し、アプリがオフライン版になり、ゆっくりと物語を振り返ることができる今だからこそ、イベントストーリーをぜひ読んでもらいたいです。

 


●まあ推しの話だしね

御託はいい、萌えを叫ぶのだ

 今萌えって死語ですか?チョベリバ

 

 当社比まじめなことを考えている記事もありますので、よろしければこちらも併せてごらんください。
 

kiki8138game.hateblo.jp

 (AHFの話題はリンク先記事の後半部分です。)

 

 なんかいろいろ言いましたがとにかく慎くんが可愛くてかっこよくて最高な話だから全人類読んでくれ!!!そういうことです。

 

・「賞を取る」「認められる」という欲が見える!最高!!

 前も言ったけど慎くんって自己犠牲のヒーローじゃないですか。慎くんの我欲って全然見えてこないんですよねマジでずっと良い子。なんだけどこのイベストでは「母親(の過保護過干渉による呪い)に打ち勝ちたい」「(みんなに)ヒーローとして認めてもらいたい」という明確な欲求の元に行動していて、それが本当にすばらしい。やっぱり欲ってイコール人間味みたいなとこあるじゃないですか。それに浅桐さんも言ってたけどそういう欲とか周りの目を意識するっていうことがないと向上心というものは生まれないと思うんですよね。慎くんは本編でもヒーローに足るために努力を重ねる人ではありましたけど、それは自分のことを至らないと思っているからなんですよね。でもそしたら、ヒーローとしての能力が十分になったら、そこで止まってしまうじゃないですか。でもAHFでは慎くんは上昇志向をしっかりと見せてくれる!最高!!伸びしろ!!!可能性の権化!!!!好きだ

 

・倫理くんとの友情が最高!!

 北村倫理くんとの関係性がものすごくじっくり描かれていて素晴らしいので読んでください(圧)

 本編は主に慎くんと透野光希くんの友情が丁寧に丁寧に描かれていたんですけど、AHFでは光希くんとの友情とは全然違う、倫理くんとの一対一の友情が描かれています。

 そもそも倫理くんは慎くんに対してはじめからとても友好的です。それは慎くんが母親の過干渉と依存を受けていた身で、その母親からの呪いのために決して恵まれたとは言えない子ども時代を送ったからであり、そして慎くんがこの呪いに対して、フラットに共存しようとしている=母親への感情を否定も肯定もしないという態度をとり続けているからです。北村倫理はこうした呪いを抱えどうしようもなく救われない人を救う、というとてつもない志をもってヒーローになっているのであり、倫理くんにとって慎くんは共感を持つ同位体であるとともに“救うべき対象”になっています。

 一方慎くんにとって倫理くんは「大切な誰かを守っている、尊敬すべき憧れのヒーロー」のひとりです。また慎くんは「誰かを守るために戦い傷ついているヒーローを守りたい」と思っているため、そんなヒーローである倫理くんは慎くんの“守るべき人”でもあります。

 本編ではこうした慎くんと倫理くんの関係は、敵として現れる倫理くんとの鮮烈な邂逅や、世界を守る戦いの中で、ドラマチックに描かれていきます。先ほど、本編は主に慎くんと光希くんの友情だと言ったのですが、倫理くんの言動は折に触れて慎くんを揺さぶっていますし、お話の中で慎くんは倫理くんと、光希くんとは異なる形で関係性を築いていきます。……が、本編の結末を経て、そうした本編上の関係性はストーリー上“無かったこと”になりました。

 その、世界を守る戦いが無かった世界線での、慎くんと倫理くんの友情。イベストの各話タイトルを見るだけでも、実に色々と考えさせられます。最高。


 特にイベント後半で慎くんと倫理くんが対決する際の、“倫理くんが考える慎くんとの正面衝突”と“慎くんが考えた「倫理くんと正々堂々勝負するための策」”が衝突する演出が本当に良い……
 この、しっかりとお互いの方を向いていて、理解をしていて、共感もあるけど、寄りかからない、それぞれの足でそれぞれのすべきことを抱えて立っているという関係性があまりにも尊すぎる。好きだ

 

 

・山野井先生が最高!!

 私このイベスト更新当時からずっと言ってるんですけど、このイベントに出てくるネームドのモブキャラである山野井先生というキャラクターが好きすぎるんですね……

 山野井先生をざっと紹介すると


 こういう人なんですけども。

 いやほんとうに好き。何が好きって、こんなに慎くんのことを真剣に想っている人なのに、全然慎くんのこと救えてないところ。

 このイベントに出てくるまで、慎くんから「空気みたいだった子ども時代」の話が幾度となく出てきているのに、先生の存在感は一切なかったんですよ。卒業して何年もたつ慎くんのこと一目見て気づいて、声かけてくれるくらいの先生なのに……まあそれはやっぱり、当時の慎くんにとってこの先生は「母親の呪いを鵜呑みにして加担する存在」だったからなんですけど……でもそれは一切悪意じゃなくて、むしろ慎くんのことを想ってのことでさえある。こんなに優しい、良い先生なのに、児童のことなんにも救えてないんですよ。それってやっぱり、この物語が『ワールドエンドヒーローズ』で、山野井先生は“ヒーローじゃない”からなんです。

 この作品って本当に、ヒーローじゃない一般人への視線が冷たいです。悪意を持っているし、愚かだし、利己的で意思が弱く、理想や正義があったとて決して同じ方向を向いていない。理不尽に頭を垂れている。ワヒロにおける一般の人、名もなき人々というのは、おおよそこういう描かれ方をしています。そして、こんな“世界”を、ヒーローは守るのか?ヒーロー自身が傷ついてでも?なぜ?ということを、プレイヤーである私たちに問いかけてくる。実にむごい物語です。

 そしてだからこそ、主役であるヒーローたちは“特別”な存在です。

 ヒーローたちは倫理的に超越した存在ではなく、彼らもまた同じような弱さを持っているふうに描かれます。弱さがあり、エゴがあり、時に挫折し迷う。しかし、そこから立ち上がり、立ち向かう決意を持っている。その強さ、"決意し選択する力"がヒーローの資質である。それを、「運命を変える力」という名前で、描いているのだと思います。

 運命を変える力を持たない、あるいは“及ばない”、ヒーローではない人。彼らが特別ではないからこそ、ヒーローはより輝きを増すし、傷ついてさえ美しく感じる。だから私は山野井先生みたいな、特に、善意があるのに人を救えないという描かれ方をしているキャラクターが本当に好きなんです。ある意味では物語構築における犠牲者ですが、ヒーローの特別さの礎でありますし、「何もできない私たち」現実における読者の一人である“私”としても強い共感を覚えます。同じようなキャラクターで、矢後さんのイベスト『春の昨日の、その明日。』に出てくる看護師さんも好きです。

 

 そしてAHFでは、そんな“及ばない人”山野井先生の言葉が、慎くんの赤英賞のきっかけになります。


 なんだかそれが、すごく救われる気持ちになるんです。

 

 

●終わり

 ということで、今だからこそ読んでほしい『ALIVEヒーローフェスティバル』というお話でした。

 ………………ちがくね?

 

 ワヒロリリース4周年おめでとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 すみません。目的を見失ってしまいました。

 実は色々とお祝い記事について考え準備しようと思ったんですがしっくりくるものが書けず……

 もういっそめちゃくちゃ好きなものについて書いて「こんな夢中なオタクがいるんだ」と思ってもらう方がいいんじゃないかと思いこういう記事になりました。まことにすみません。

 今後も元気にワヒロを愛していきたいと思います。いつもありがとうございます。LOVE!!!!!!!!

 

 

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*1:間違えて仕事関係の人とこのブログのアカウント名で繋がってしまったというド凡ミスによる自業自得。

*2:『解き明かせ!密室の海上訓練』2019年5月配信

*3:アライブヒーローフェスティバルの略。競技イベントの略語として作中でも使用されている。