ヤッターオタクたのしい!!

ワーーーーイ!!

ワヒロのイベント《名探偵北村倫理の永久》がはちゃめちゃに面白い

 

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 走ってますか!!!!?!?

 

 こんにちは、オタク力よわよわ指揮官です。

 

 この記事は、ソシャゲアプリ『ワールドエンドヒーローズ』で現在開催中のイベント《名探偵北村倫理の永久》がとっても面白い!ということをささやかにお伝えしつつ、自分の爆発した妄想を垂れ流すための記事です。

 

 ワヒロくんについてはガン刺さりした当初にトチ狂ったダイマブログを書いておりますのでご参照ください。
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 さて、バレンタイン矢後勇成*1で焦土と化したワヒロオタクたちをあざ笑うかのように、先日2/17より、新イベント《名探偵北村倫理の永久》が開幕しました。

 

f:id:kiki8138game:20200219062910p:plain(※このスクショは、カドストを早く開けたくて思考停止で1時間半ほどダイヤを砕き続ける脳筋ゴリラと化していたところ、見たことのない順位になったのでわーいやったーと思って撮ったものです。弱いオタクなのでこの後びっくりするくらい順位が落ちます)

 

 主役であり今回の報酬SSRでもある北村倫理くんは、当然いつもはヒーローとして日夜世界を救っているわけですが、今回、特に理由もなく唐突に名探偵になってしまいました。ざわめくオタク。こちらがイベント予告のあらすじです。

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 わ、わからねえ~~~~!!!

 

 というか、キャラの一人称で語られるイベント予告、初めて見た……ワヒロ歴が短いので、もしかしたら私が見てないだけで以前のイベントでもあったのかもしれませんが、珍しいことは確かだと思います。
 なんとなく、夢オチのパロディものかな?ということだけが伝わり、一般的なソシャゲだったら「パロディ楽しそう!世界観とコスプレ!」みたいな反応が出てくるところかと思います。でもワヒロのオタク、全然浮かれない。なんなら「倫理くんどうなってしまうの……」という悲壮感さえある。


 なぜなら、主役が北村倫理だからです。

 


●ワヒロのトリックスター、北村倫理

 というわけで、イベントの話の前に、まず主役の北村倫理くんについて軽くご紹介させてください。

北村 倫理(CV 岡本信彦
新興宗教が母体である愛教学院に所属している、
自称「弱者」で「クズ」の認可外ヒーロー。
天真爛漫で人懐っこい性格だが、発言のほとんどが真意不明の
嘘つき体質。自分を含む底辺であがく人々を救うため、
「すべての異端」を守る「普通のヒーロー」を目指している。
公式サイトキャラクター紹介より引用)


北村 倫理 ボイスつき紹介映像


 おわかりいただけただろうか……

 以前の記事にも書きましたが、倫理くんはワヒロ界きってのピーキーなキャラクターです。自らを「底辺」と自認しており、自身と同じような「はずれた存在」を見過ごしてしまう〝一般的な救い〟に対しての嫌悪があります。一方で、「ヒーローが好き」「ヒーローになりたい」という純粋な気持ちも持ち合わせており、嫌悪しながらも〝一般的な救い〟に対する一定の理解があるのです。うーん説明するのが難しい……倫理くんに関しては本当に、「実際にシナリオを読んでみてほしい」としか言えない……気になった方はぜひぜひワヒロやってみてほしいです!倫理くんについて知るだけでも価値があります……
 とりあえず今のところは、〝一筋縄ではいかない子〟〝ヒーローが好きだけど、一般的なヒーローに対して逆張りに当たるキャラクター〟というざっくりした理解があれば大丈夫です。

 

 そんな倫理くんが「終わらない」「悪夢を見て」「名探偵になる」…?
 これはやばいやつでは……!?

 

 私も告知直後にこんなツイートをしつつ、わくわくびくびくイベントを待っておりました。

 


●ストーリーがあまりにも良すぎる

 端的に感想を言うと
はちゃめちゃ面白かった!!!!!!!

 

 ・ソシャゲイベントストーリーとしての賑やかな面白さ
 ・〝探偵ものフィクション〟としてのミステリ・サスペンス要素
 ・複雑な物語構造による文学的な面白さ
 ・「主役:北村倫理」の特殊性を活かすストーリー構築
 ・難しさを感じさせない、小気味いいテンポのシナリオ回し

 

 これらをすべて成立させた見事なストーリーでした。
 全力で楽しまされてしまった…悔しい……ワヒロくんが面白くて悔しい……!!

 

 オタク的なキャラクターへの贔屓なしに、個人的にはイベントストーリーで一番面白かったです。謎解き部分もしっかり叙述認識、論理問題を出してくるし、謎解きそのものがストーリーの大きな流れのカギになっているという二重構造も面白い。謎解き自体の正誤関係なくストーリーは進むので、そういうのが苦手な人も楽しめます。

 

 そしてこのお話の中で、「北村倫理のこと」や「北村倫理を取り巻く人たちのこと」について、倫理くんの主観が非常に良く見える。これが嬉しい!
 先ほど紹介したように、倫理くんは支離滅裂で嘘つきです。彼から発信される人間関係についての情報はとても偏っているし、それが本当なのかあやしいものです。でも今回のストーリーでは、普段はぐらかされている倫理くんの主観が強く透けて見えました。キャラクターのことを知れて嬉しい!というのもあるし、北村倫理という過積載で虚像じみたキャラの内面を、こんな風にイベントストーリーで描くのか、という物語構築の技術にも感嘆しています。もちろん直接的な記述ではないので、オタクの妄想の域を出ないものではあるのですが、それだけにシナリオの読み応えが半端ない。こんなにくり返しイベントストーリーを読んだのは初めて!そして読むたびに新しい視点を見つけたり妄想の余地が広がったりします。無限に遊べる……楽しい……

 

 ここまでで内容やキャラが気になった方はぜひ!ワヒロをプレイしてみてほしいです!イベストは始めたばかりでもそこまで苦労せずに開くと思います。ネタバレ読む前にぜひ!
 《名探偵北村倫理の永久》は2/24(月)22:59まで開催中!!!

 

 


 ここから下ではイベストの楽しいところを、具体的に書いていきます。


 !注意!
 以降、現在開催中のイベントのストーリー・一部メインストーリーのネタバレ、報酬カード・ガチャカードのストーリーネタバレ、スクリーンショットをおおいに含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●探偵ものとしての面白さ。多重構造ミステリー。

 説明がしづらいので最初に端的なストーリーの顛末を豪快にネタバレしておくと、今回のイベントは「北村倫理が探偵役となって同一/多様な事件をループしながら解決し、『嗜好性イーターによって(?)悪夢に閉じ込められている』という真実に気付きイーターを倒す」という流れになっています。おおよそ3話でひとつの事件を扱い、それを繰り返して全11話で全貌に近づいていくという構成です。

 

 1~3話、最初はイーターを知覚していない倫理くんが、探偵として事件に挑む様はまさに探偵ものミステリーの風情。上で述べた論理問題、登場人物の供述を照らし合わせて矛盾を探し犯人を炙り出すという王道のミステリー展開がプレイヤーを沸かせます。

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 個人の供述からアリバイの裏と行動の根拠を探る名探偵。

 

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 しかもプレイヤーに推理パートがある!嬉しい!

 

 そこまで複雑な論理問題じゃないので、サクッと解くことができます。ソシャゲのイベントストーリーで謎が重すぎてもバランスが悪いと思うので、ちょうどいい歯ごたえで楽しい。ここの正誤はシナリオの進行に関係ないので、もし間違えてしまっても大丈夫です。でもこうやってしっかり謎解き用意してくれるのは良い……中途半端じゃなくキッチリとミステリー・サスペンスをやってやろうという、シナリオに対する意気込みを感じる。
 ちなみにこれは殺人事件で、それはもうあっさりと主要キャラが死にますし犯人も主要キャラです。最初から夢オチがわかってるとはいえ、あまりにも無慈悲でゾクゾクしちゃいますね!ソシャゲの推しに殺される私*2……なかなかできない経験……

 

 この事件のオチがつくとそこから場面が一転し、また事件の最初へと飛ばされループが始まるのですが、2周目では事件そのものが同じで、登場人物と事件の様相ががらりと変わります。4~6話の事件は論理問題ではなく、失踪した人物を踏まえて可能性の有り無しを考える消去法の謎解き。
 なんですが、この謎が1周目の謎に比べてやや雑。

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 これについては名探偵も認めています。

 

 セリフで印象操作をしたり、トリックのために特殊な器具を出してしまったりと、無理やり感が否めません。もちろんワヒロは本格ミステリーではなく、あくまでもこれはヒーローものゲームのイベントパロディなので、一から十まで完璧なミステリーをやれというのは高望みが過ぎるというものです。

 

 ……と、思っていました6話までは。

 

 7話の3~n周目スタートから、一気に話の色が変わってきます。

 

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 探偵が事件を解決する、という構造そのものが徐々に崩壊していき、ついにはバトルロイヤルに到達。2周目の〝雑さ〟は構造のほつれ、7話への伏線だったわけです。
 7話の冒頭を開いた瞬間の衝撃がやばかった。
 あれ!!あの雑な謎!!仕込みやったんかい!!!
 ヒエー凄いよお…ソシャゲのイベントですごいものを読まされているよぉ~……

 

 事件の謎そのものが、イベスト全体の流れの謎を解くヒントになっている入れ子のストーリーになっているわけですね。こういう複雑な話の作り方大好き。ここから一気に加速してバトルロイヤル編をとりまとめ、大本命の謎「なぜ北村倫理は名探偵をやっているのか?」へと進んで行きます。
 最終話が選択肢オープンなのもとても良い。選択を間違うとBAD ENDで最後の11話が開かない仕様で、それだけにこの選択の重大さがわかります。ゲームだからこその演出で好き。

 

 蛇足になりますが、その〝ゲームだからこそのシステム〟で選択はプレイヤーが行っているわけですが。しかしそれとは別に、プレイヤーキャラは名探偵の世界ではたびたび殺されています。遊んでいる自分と、物語上のキャラクターで、存在が二重になる矛盾が生じてしまいます。
 その辺は「ゲームシステムだから」で無視を押し通しても悪くはないんじゃないかなと思うのですが、このイベントでは最終話で矛盾が解決できるセリフが一言ちゃんと挿入されていました。

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 感激!丁寧なつくり……!

 

 この指揮官を認識するセリフ、無くても話の進行に支障をきたすわけではないんですよ。むしろ、ストーリーの設定を複雑にしてしまうひとことだし。でもあえてこのセリフを入れるというのが、指揮官の役回りに誠実な感じがしてとても嬉しかったです。

 

 


●メタと倫理と倫理とメタ

 そんな複雑な物語構造をしている今回のイベストですが、特に面白いなと思ったのが、「主役である倫理くんが常に倫理くん自身をメタ的に認知している」というところです。

 

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 「登場人物が『自分がフィクションの登場人物であると認知している』状態の作品」をメタフィクションといいます。今回のイベストは完全にこの「メタフィクション」です。
 倫理くんは自分が〝名探偵役を与えられている〟ということを明確に認識しています。更に、

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 その〝名探偵役〟の意義とはなんなのかというところにまで思考が及んでいます。

 

 そして、倫理くんのメタフィクション的思考が、最終話でイーターを倒す原動力となります。

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 「メタフィクションであること」が、ストーリーの肝に関わる〝意味〟をもっているわけです。

 

 ところで、同じメタでも「自分自身を高次から客観的に認識すること」をメタ認知といいます。学習や思考、それにともなう行動を行う自分を、〝そういう自分〟として認知することです。
 そして、北村倫理は、メタ認知的技能が非常に高いキャラクターです。

 

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 これらはメインストーリーのスクショですが、このように、倫理くんは普段から「自分がどんな自分であるか」「どんな思考・どんな認知が自分を自分たらしめているか」によく言及します。またその認識を以て、「どんな自分になりたいか」が非常にハッキリとしているキャラクターでもあります。
 このメタ認知が強いからこそ、「異端を救う普通のヒーローを目指す」という倫理くん独自のキャラクターが生まれているのだと思います。北村倫理を北村倫理にしている、かなり重要な視点です。

 

 そんなメタ認知的技能の高い北村倫理」が、「メタフィクション的思考」で敵を倒す、という今回のイベントストーリー。
 10話~11話(最終話)で、敵の能力の前に倫理くんが知識・認識をどんどん失ってしまい、その認識を再度捕まえ直すシーンはまさに「メタ認知」の足跡と言えます。このストーリーの流れそのものが、北村倫理というキャラクターにおける、最重要なファクターの暗喩=メタファーとなっているわけです。

 

 まとめると、倫理がメタであることがメタである倫理のメタファー……メタな倫理が倫理のメタの……メタが倫理で……倫理がメタ……
 
 もとい、複雑すぎてうまく説明できているか自信が無いのですが、
 「メタフィクション」という物語の構造が、物語の展開の肝であると同時に、主役:北村倫理の「メタ認知」という特色をメタファーしてもいる。
 …なんだかすごいはちゃめちゃに複雑なことをやっているぞ!!!イベントのストーリーで!!!!!!ということです。

 

 もうこの一点だけでサブカル文学研究として一本書けるんではないかと思う。読みのコストに対するボリュームがすごい。

 

 

 

●倫理の心理を推理する

 でもオタク的に沸くのはやっぱキャラよな!!!!

 

 先ほど今回のストーリーを「メタフィクション」と述べましたが、ストーリー上、倫理くんの主観では、このお話は「倫理くんがみた明晰夢:夢だとわかっている夢の話」です。
 今回のイベントでは、主要キャラクターが入れ代わり立ち代わり出現しますが、これらのキャラクターはすべて〝北村倫理の主観による認識上のキャラクター〟ということになります。またそれを倫理くん本人が認めてもいます。

 

 上の方で述べたように、北村倫理は支離滅裂で嘘つきなキャラクター。こと人間の好き嫌いについて、フラットに語ったり隠したい本音を漏らすようなキャラではありません。
 だからこそこんな形で倫理くんの内面を描いてくるとはね!!やるな!!!いや本当に踊らされるよね。まんまと。めっちゃ沸いた。

 

 ということで、「このキャラの描写はこういう倫理くんの認識を反映してるんじゃないかな~」と妄想したことを、下でつらつら並べていこうかと思います。ほんとにつらつらなので多分読みづらいと思いますすみません。興味ある方だけお読みください!!

 


 別にいいや~とここでさよならされる方が大半だと思うので先に、
 ここまで記事をお読みいただきありがとうございました!!
 ワヒロやってない方には興味のほんのきっかけにでもなれば、指揮官さんにはマラソンの箸休めにでもなれば幸いです。
 イベントはまだまだ続いていますので、お互い頑張ってイーターをぶん殴りましょう!読んでくださった方がたくさん白変引けますように!!!!

 


以下妄想!


 ※考察のていを取っていますが、明言されているわけじゃないので完全にオタクの妄言です。上の小見出しに推理するとか書いてありましたけどあれはただのオタクラップなので気にしないでください。


・1周目の事件(伊勢崎、武居、志藤、御鷹、三津木、指揮官)

 真っ先に殺される指揮官。この時点では明言されないけど顔がめちゃくちゃにされている時点で「わたしですね…」と思った。これはあとで理由付けされていたけど、プレイヤーキャラであることへのメタ(またメタ…)だと思う。終盤で明かされるように、倫理くんのメタ認知を支える重要な認識を優先して消しているということを踏まえると、1周目の登場人物は〝北村倫理を構成する認識〟として重要度が高いことがうかがえる。
 志藤さんは従兄弟なので当然。親戚であることは同時に「父が捨てた志藤の家」でもあるが、志藤さんの設定が「家から独立して自活している」となっていることを考えると、志藤正義に対する倫理くんの認識は〝志藤の人〟以上に〝正義くん〟が強いのかもしれない。
 伊勢崎、武居が出てくるのは彼らが元々倫理くんと同じ〝底辺〟側の出身だと倫理くんが認識しているためだろうと思う。
 特に伊勢崎が犯人役であるのは彼が越境者(底から上へ格差を越えていった人)であることが強そう。そして〝殺人という裏切り〟〝殺人という自己犠牲〟を同時に行う人物でもある。実際に施設の件で伊勢崎は同様の裏切り兼自己犠牲がありそうであることを考えると、倫理くんはかなり〝正確〟に周囲の人間を認識していそう。
 武居の認識は、使用人らしい立ち居振る舞い=「与えられた役割をおおよそ忠実にこなそうとしている」あたりかな。これもかなり正確。さらに〝裏切り〟〝自己犠牲〟〝役割〟がそれぞれ倫理くん自身の構成要素としてもありそう。
 御鷹はおそらく志藤さんの付属として出てきていると思う。ご親戚のご親戚はご親戚。彼が最初に疑わしい人物として挙がるのは、「メンバーの中で北村倫理から最も遠い存在」だから。認識には対極の存在もまた必要である。ていうかたぶんそんなに御鷹のことそんなに好きじゃないんだろうな。結局犯人じゃないのも、〝役割無し〟と同義なので、犯人役の人より遠い位置にいると思われる。御鷹だけ現実と設定が著しく乖離しているのは、「そのぶん倫理からの偏見がある」のだと思う。高等遊民=〝上〟の人、浪費癖=〝上〟ならではの悪徳。確かに要素として抜き取ると御鷹に存在する要素ではある。
 助手の三津木は倫理くんにとって近しい人物。類似。また慎くんは、倫理くんにとって「〝北村倫理らしいヒーロー像〟が〝ヒーローである〟と認めてくれたはじめてのヒーロー」であるので(ややこしいな)、倫理くんの自己認識には必要な存在になっているのだと思う。さらに、過去イベAHFで言及があるが、慎くん自身が〝呪い〟を抱える、〝北村倫理が救いたいもの〟でもある。これを鑑みると、事件解決時の「探偵は謎を解けても呪いは解けない」という発言がかなりヘビーになってくる。

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(この画像は2周目だけど)
呪いから救うのは探偵ではなく、ヒーローである。


・2周目の事件(浅桐、戸上、矢後、頼城、佐海)

 2周目がいちばん理解しにくい。1周目と3周目の中間ということなのかな。事件関係者が全員リーダーシップをとる立場であることも関係しそう。倫理くんは学校代表者、認可外代表者の立場を持つ一年生である。
 これは根拠が薄すぎるのだけど、この事件関係者メンバーは「倫理くんから見て、倫理くんを正しく理解していそうな人たち」なのかな……特に浅桐は共通理解の認識がある。だからこそ犯人役の片割れなのだと思う。
 戸上が犯人の片割れなのは、伊勢崎と同じく越境者(白星→崖縁)だからと思われる。
 頼城が次男・最初に疑われるポジションなのは、御鷹と全く同じ理由だろう。〝上〟の人、遠い人。そんなに好きじゃないというのもたぶん同じ。御鷹よりも、倫理くんからの頼城への理解があやふやなので、人格がいまいち定まりきっていない。
 矢後がいちばん謎。でも矢後も、現実より若干しっかりしていたりするので、やっぱり倫理くんからの理解はいまいちあやふやなのだと思われる。
 助手の佐海は三津木同様、近しい人物。でも佐海は近しいと同時に、倫理くんが嫌悪する、理解はあるが共感は無い人物でもある。だから2周目に出てきているのだと思う。
 指揮官は1周目と同じなので割愛。


・3~n周目の事件(斎樹、透野、霧谷、久森)

 だいぶ崩壊が進んでから出てくる人たち。この人たちは「殺人事件の設定や動機を倫理くんから与えることができない人たち」。相互無関心。ただし、人物の認識は2周目の人たちより、俄然くっきりしている。三津木、佐海が両方助手として出てきていることから1、2周目を両方踏まえると、「倫理くんからの認識は〝正確〟寄り(※決して〝理解〟ではない)」「向こうからの倫理くんへの理解が浅い」ということなんじゃないかなと思う。
 斎樹の人格への認識はかなりあやふや。性格と行動がだいぶ変わってしまっている。ただし、〝状況や行動への正しい理解を行う知見がある人〟だと思っているらしく、その認識は正確そう。カオスなバトルロイヤルにおいて、相当に的確な状況判断をしている(そしてその結果生き残っている)。

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 この発言も大正解であるし、ストーリー全体において重要なことを言っている。
 久森への倫理くんの認識は、〝人柄〟と〝能力〟が別々に分かたれている感じがする。なので、倫理くんが能力について言及すると途端に行動が切り替わる。
 透野は、倫理くんからの嫌悪の感情が如実。まさに殺されるという際にも、恐怖すら持たせてもらえない。認識がテーマのこのストーリーにおいて、透野光希は過去が無く、「メタ認知し得ないキャラクター」なので、どうしてもこの扱いはしょうがない。自己の認識を失うということがそれだけ倫理くんにとって嫌悪であり、恐怖なのだと思う。
 霧谷は透野と逆で、倫理くんからの好意が分かりやすく見て取れる。そして倫理くんからの働きかけの結果、拒絶される。佐海と逆で、「共感はあるが理解は無い」ということだろうと思う。お互いに、深いかかわりを持とうとしないキャラクター同士なので、むべなるかなといったところ。

 


・おまけ カードストーリー

 倫理くんが夢を見ている間、他のヒーローはどうなっていたのか。
 カードストーリーを読むと、他のヒーローが倫理くんの夢に取り込まれているような描写があるけど、それさえも倫理くんの認識によるものなのか、判然としない。

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 この指揮官の描写を見ると、登場人物が夢に取り込まれていそうではある。

 

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 助手サイドのふたりは、夢であるという認識がはっきりある。

 

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 志藤は自認が相当あいまい。

 

 単に助手が倫理くんに近しいから明晰夢に近いのか。
 ランボ武居は事件関係者サイドだが、ストーリー上にいなかった役回りがカードになっているので、こちらのストーリー確認が待たれる。

*1:2月前半のバレンタインイベは非常に人気の高いキャラが報酬SSRになり、参加人数とボーダーが跳ね上がり、トップ及びボーダー戦は苛烈を極めていました

*2:≒プレイヤーキャラ。私は指揮官に自己投影するタイプのプレイヤーです。